漢方薬剤師 masayo
「カラダも一日にして成らず」

Vol.21　笑う門には福来る

　私はあまりお笑いに詳しくありません。笑いの沸点も低くないし、思い返すとあまり笑わないほうかもと思ってきました。

　「笑う門には福来る」

　これ、脳科学的にも正しことがわかっているそうです。笑う頻度と死亡や病気のリスクを分析した研究によると、ほとんど笑わない人は、よく笑う人に比べて死亡率が約2倍高く、脳卒中や心疾患の発症率も高い結果でした。

　これは、笑うことでドーパミンやセロトニンなどの心と体に良い神経伝達物質が分泌され、ストレス時に分泌されるコルチゾールの働きを抑制することが関係しています。

　また、笑いと健康の関係を研究するきっかけになったのは、治る見込みが低い難病を笑いで完治させたノーマン・カズンズ氏の逸話だそうです。

　彼は、笑いやユーモアが副腎に作用し、免疫力に関係するのではないかと考え、自ら被験者となり研究をしました。

　「多くの患者は体内の自然治癒力で病気を治すことができるのに、勝手に自力では治らないと決め込んでいる。それが一番良くない。」と話しています。

　その後も「笑いが免疫力に及ぼす影響」についての研究は進んでいきます。

　日本では、寄席を見に来たお客さんに、がんと闘う免疫細胞であるＮＫ細胞（ナチュラルキラー細胞）の活性を調べたところ、大笑いをした後の方がはるかにＮＫ細胞の活性が上がっていることがわかりました。

　また、他の研究では「お笑い」を見た後にＮＫ細胞の活性が35～45％、なかには55％近くアップしている人もいたそうです。

　薬を使って免疫を上げるには時間がかかりますが、笑いは短時間で効果がでるなんて！驚きです。

　はじめに私はあまり笑わないかもといいましたが、職場では良く笑っている気がします。みんな素敵な人ばかり。

　プライベートでは大変なこともあるけれど、私が元気でいられるのは職場のみんなのお陰です。

　はやくマスクを取って大笑いできる日が来るといいですね。

2022年　夏