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Vol.32 情緒が導く学びのかたち
最近の楽しみの1つに、友人に教えてもらったアバタローさんのYouTubeがあります。今回はその中の【名随筆】からひとつ・・・
世界的な数学者 岡潔さんをご存知ですか?世界の数学者を悩ませた「多変数関数論」をたった一人で解決した最も著名な数学者の一人です。
この岡潔は、随筆家でもあり、教育者でもありました。有名な随想のひとつ「春宵十話」の書き出しは、「人の中心は情緒である」で始まります。また、文化勲章を受賞した際、昭和天皇からの「数学とはどのような学問ですか?」との問いに、「数学とは生命の燃焼です」と答えたとの逸話があります。
もっとも論理的な学問である数学を、単なる知識や技術ではなく、生命の活動や創造的なエネルギーと考えた岡潔は、「情緒」という言葉をキーワードに数学について思考し、たくさんの随筆を残されました。
「情緒」とは何か。それは、人が感じ、経験する多様な感情や気分、その揺れ動きを指す言葉。心の奥底で沸き起こる感覚や感情。
その情緒を磨くため、岡潔が唱えている考えのひとつに「成長は遅い方がよい」があります。それは楽しいことを心から楽しいと感じられる、人の悲しみを憐れむのでなく、一緒に悲しんであげられる。そんな心は、小さい頃に難しい漢字が読めたとか、何かを競って早いとか、そういった教育では養われないと伝えています。
20年という歳月をかけ、多変数関数論を発表した際、当時、世界最高の数学者の一人だと言われていたジーゲルは、岡潔を一人の人間ではなくチームの代表者名だと思ったそうです。こんな難問を一人で解けるはずがないと。でも岡潔は、 「数学を学ぶ喜びを食べている。」という言葉通り、没頭し、生命の喜びを感じながら、数学と向き合っていたのだと思います。
自分の行動に迷ったとき、その行為にどんな意味があるのか、どんな徳があるのか。そんな計算をしてしまうことは誰にでもあるかもしれません。でもそれは決して情緒的ではない。
言い訳ばかりの自分に、強く刺さる一話でした。
2025 夏
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